前回の続き、フォーチュン・クエストシリーズを読み返した感想を書いていきます。
まずは物語の時系列順で、パステルが冒険者になる前の「フォーチュン・クエスト外伝」の感想を。
この外伝、実は本編より好き😀
※下記は、読んだことある人前提のネタバレ感想です。
○パステル
ルーミィ、わたし。どんなことがあっても…たとえ冒険者にはなんなくっても…あなただけは守るわね
フォーチュン・クエスト外伝 パステルの旅立ちより
こんなん泣いちゃう。
14歳で故郷をモンスターに襲われ、いきなり孤児になる。
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おばあさんとは初対面で喧嘩別れ。
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直後に出会った新人冒険者カシアスに触発されて自分も冒険者を目指す。
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ルーミィ、クレイ、トラップ、キットンと出会いがつづく
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冒険者予備校で合格を目指すよ
パステルは、落ち込んでても悲しくても怒ってても諦めても…割と誰とでもペラペラ喋るから、人間として強いなあって思う。
ふと(あ、私もう親いないんだった)という闇があるだろうに、目の前のことで頭をいっぱいにする生命力。本編よりお子ちゃまの14歳なんだけど…
パステルつえーなあ
と、感じる作品です。
○クレイ
おれとトラップと、実は昨夜遅く相談したんだ。今後どうするかってね。
フォーチュン・クエスト外伝 パステル、初めての、クエストより
早く言えよー。
パステルは二人の邪魔をしてはいけないと落ち込むけど、クレイとトラップ二人はおぼっちゃま。
何年か棒に振っても(失礼)、地元に帰れば親のツテでいくらでも良いメンバーを紹介してもらえるだろうし、「今はパステル甘えとけー」と、おばちゃんになった私は思います。
私は案外、この人の良さそうなクレイは同レベルやそれ以上の人たちとパーティ組んでたら、トラップよりも人の気持ちに寄り添えない(気付けない)冒険者になってたんじゃないかと、勝手に想像しています。
パステルはその後の物語でも「ふたりともちゃんとした冒険ができるメンバーと組んで欲しい」ってウジウジしますが、男二人はもうこのときに腹を決めてるんだな。
○トラップ
わたし実はトラップのこと、好きでも嫌いでもないんですよ。
どんなキャラなのか、よく分からないまま完結しちゃいましたね…。理解力なくてトホホです。
あ、でも迎夏生さんのコミカライズで絵で動いてるのを見ると、こんなキャラなんだーって理解が少し深まりました。
小説だとどうしてもパステル視点だからね…。
パステルがスライムに襲われてるところや、街で迷子になってるところに遭遇しては呆れてます。行き当たりばったりで物知らずのパステル。
みんなに優しいのはクレイだけど、「見てらんねー」なんて、先に情が移ったのはトラップかもしれません。
一体、いつからパステルのことが好きなんでしょうね?この時点では、恋心ってほどではない気がする。
○キットン
キットンのことは、今後の新フォーチュンの記事で詳しく書く予定です。自分が大人になってから、1番好きなキャラ😇
余談ながら、キットンみたいなキャラをメインメンバーとして描くことができる作家さんって、もう出てこないんじゃないかと勝手に思っています。
(恥知らずに書きますと、作家さんの素質も勿論ですが、商業的に受けないキャラを今の出版社側が作らせる気はないんじゃないかしら、という意味も含めて)
パステルやクレイやトラップは、似たような(というと失礼すぎるんですが)キャラは産まれたとしても、キットンみたいなキャラは作ろうとしても想像力で補えないと思う。私にとってのフォーチュン・クエストの要ってキットンなんです。
過去の記憶がなくても、冒険者試験でラックの試験に落ち続けてもめげない。
めげないというか、受け入れるっていうのかな。良いなあ。
○ノル
ノルは外伝ではほとんど出番がないのです。ごめんねー😂本の最後のあたりに出会いが書かれてます。
○リタ
これはね、クエスト成功のお祝いじゃないの。
フォーチュン・クエスト外伝 パステル、初めての冒険より
リタがパステルたちの無事を歓迎する場面。なんてあったかいんだろう。
この記事では、本の台詞を3つ引用させてもらいました。どれも毎回ジーンとくる場面です。
この時、この町を訪れて、町の人に優しくしてもらって、食堂にリタがいて…。そうじゃなかったらパステルは続かなかったんじゃないかな。
フォーチュン・クエストは、冒険を通じて色んな人と出会い、良いことだけでなくて嫌なことも味わって、凸凹メンバーが助け合う物語。そのスタートのお話しです。