前記事の続きです。
フォーチュンクエストのシリーズ読み返してみた。角川スニーカー文庫時代(後編)。
○クレイ
おれたち、あんまり金持ちでもないし、レベルも低いし。けっこうつらいぜ
世にも幸せな冒険者たち より
チームリーダー。改めて読むと初期は不憫さ少年ぽさが強くていいなあ。終盤は完璧すぎなんだよー😂
こわごわ懸命に戦う様子も健気です。
最初の1〜3巻は怪我をしたりオウムになったりで出番が少ないのですが、4巻「ようこそ!呪われた城へ」でようやくフル出演。そこでも、レディ・グレイスの“自分が嫌いなものが見える”という攻撃で、情けない自分自身が映ってショックを受けてしまいます。
クレイ自身は辛いシーンですが、私はいま読むと(自分と向き合えててえらい!)って感激してしまう。真っすぐで、若くて、いいなあ!
○トラップ
この先ずーっとおれたちがついててやれるっていう保証はどこにもないんだからな。
大魔術教団の謎(上)より
その通り!
トラップもまだ子供で軽率さのほうが目立つ初期。そんなにまだ経験が少なく生意気さがかわいく思えます。
だんだん彼の実力も備わってくると、言われた側は逃げ道がなくなっちゃうんだけど…クレイが甘やかすのでバランス取れてるかな。
昔はおデブちゃんだったエピソードが「忘れられた村の忘れられたスープ」で出てきます。後悔を吐くトラップに、困ってパステルは寝たふりします(聞いてやれよ)。普段から弱さも出してたら、パステルもそんなことしないのにな、と思った記憶があります。
○キットン
ゼンばあさんに出会い、なくした記憶のとっかかりを得ますが、最初はあまり関心がない様子。
しばらくしてゼンばあさんからウェーブを受取り、キットン族のアイディンティティを取り戻し大活躍します。こうして読み返すと、最初の1巻はクレイやパステルよりキットンが活躍してるんですね。
いつもモンスターに会ってパニックになってる印象が強いけど、序盤にこんなに活躍してるのを忘れていました。
とてもユニークなキャラクターです。そんな彼もノルが死んだときには「冒険者はこりごり」と弱音を吐きます。それがとても印象に残ってます。
○ノル
ただいま!
大魔術教団の謎(下)
彼は旅の目的を果たしても、パーティに帰ってきてくれました!
無口なので小説という形だと、どうしても存在感が薄くなる彼。迎夏生さんのコミカライズや、ゲームとかを体験すると、セリフがなくても視界にいるので、小説で伝わらないノルの存在感が(こんな感じなのか😳)と理解できます。
※本当にコミカライズ作品お勧め
巨人族はみんな無口なんだと思ってたら、妹のメルちゃんは割と喋ります。もっと兄妹で過ごす様子を見てみたかったなー。
メインになることはほぼないし、そのメイン回では亡くなっています。無印5.6巻はストーリーが凝ってて、ノルのことも含めて、シリーズの中でも傑作と思ってます。
生き返ったこと、妹を助けてくれたこと、パーティにすごく感謝してるんだと思います。ノル一人だったら、あの教団からメルを救うのは難しかったでしょうね。
○ルーミィ
赤ちゃんじゃん!ほやほや。
みんなこんな子供を庇いながらよく最終巻までたどり着きました。そりゃレベルを上げるとか、二の次になるはず。
○シロちゃん
ノルしゃん、まだ助かるかもしれないデシ。さっきみなしゃん、そういってたデシ。
大魔術教団の謎(上)より
この子のお陰で皆が前を向けるようになるシーンです。
会話に加わってなくても、みんなの話をよく聞いてるシロちゃん。小さいのに客観的にパーティを見られてて賢い〜😳
暗い洞窟から出てきて、こんなに人数が多いと賑やかで楽しいね。
○ディビー
冒険者になりたくなったら、またなるよ。でも、今は他のこともやってみたいんだ。
隠された海図(下)
ディビーが出てくる話には、クンちゃん、ディビーママ、キャプテンブラックなど派手なキャラクターが登場します。
その影に埋もれて活躍せずに泣いてばかり。
同じ地味でも、トマスとかは僧侶ということもあって存在感がありますが、ディビーはもう会うことがないんだろうな、って思ってました。
後に彼女ができて再登場したり、最終巻でも駆けつけてくれました。義理堅いね。
角川スニーカー文庫時代は、古き良き正統派ファンタジーの香り。
冒険中のシビアさもあり、メンバーの経験値も少なく、とにかく必死なのが伝わるシーズンです。